デザインは見た目?

デザインは見た目。

正解!

と言いたいところですが、正確には

見た目もデザイン

です。

一つわかりやすい事例を挙げます。

10数年前ですが「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」という暗闇エンターテイメントを体験しました。

真っ暗闇をグループで手を繋いで空間の中を進みます。

足元には葉っぱらしきものが敷き詰めてあり、風がそよそよと吹きます。

本当に真っ暗闇なので、普段経験したことのない恐怖感に襲われます。

それでも先導されるスタッフさんに従って前に進みます。

そして途中休憩時間があり、その時に明かされます。

先導をされているスタッフさんには視覚障害があり、目が見えていないことを。

ではどうしてスイスイと歩けるのか、質問をしました。

音と足裏の感覚で、音に関しては目の前に何があるのか反響する音でわかります。

という答えでした。

当時何の前情報もなく会社の人に半ば強引に連れていってもらっただけなので、いきなりトンカチでガツーンとやられた気分でした。

つまり、私は普段視覚障害の方々のいる世界に足を踏み入れ、その中では前に進むこともままならない、完全に逆転した世界を体験したのでした。

デザインに話を戻します。

この経験から、デザインは見た目だぜ!という人は視覚障害の方々の世界では居場所を失います。

どんなかっこいいポスターもパンフレットもパッケージも何の役にも立ちません。

役に立つのは、信号の音や点字ブロックです。

ではこの信号の音や点字ブロックはデザインじゃない!と言い切れるでしょうか。

これは、私自身デザインについて大きく揺さぶられた経験で、今デザイン思考で語っている内容にたどり着く、その出発点になりました。

「デザインとは〇〇」と答えを知る前に、一度自分の中の「デザイン」を揺さぶってみる、そんな経験もあっていいと思うし、その方がはるかにデザインへの理解が深まる、そんなふうに思います。


バンブーコラムは代表・関口稔によるコラムです。
日々感じていることや考えていることを書き綴っています。
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